本郷地下さんの「世田谷シンクロニシティ」という漫画にどハマりしてしまった。
2017年の漫画らしいので、もう2年前。その間私は何をしていたんだ…くっ…!!
この漫画の主人公の男子大学生は、「恋するのは女の子なのに男性にしか欲情できない」という体質を持つ。
大学生の男の子2人の、めちゃくちゃ切ない感じとか、かわいい感じとか、美しく芸術的な肉体とか、手の位置とか表情とか!!
もう全てが貴い漫画である。
もともと、BLに抵抗はないけどそこまでたくさん読んだこともなく、
でもこの漫画には、この世の全恋愛漫画の中でも飛び抜けた「せつな甘酸っぱさ」があると思う。
昨日の深夜に初めて読んでから、もう5周はしている。ネットで無料公開されている番外編の破壊力も凄まじい。
ところで、この世の大多数の人は、まだまだ「男に生まれたら女を、女に生まれたら男を好きになる」と自動的に思い込み、それについて深く考えないと思う。
私も、自分の恋愛対象について深く考えたことがなかった。
初めて片思いしたのは男の子で、でも別に「男の子だから好き」とかではなく、ただなぜかその人が好きだった。
「私は男の人しか好きにならないのかな」なんて、考えたこともなかった。
一方で、私が性的な対象として見ていたのは、常に女性の体だった。
こちらも、誰かに教えられたわけじゃないし、そんなこと友達とも話し合わないし、当たり前のことだと思っていた。
誰がどう見たって、女体の方がエロいし、それが普通でしょ、と思っていた。
(でも、中性的な男性の体はちょっと興奮するかも…)
男性の体を性的な対象として見ないわけではないが、それこそ「世田谷シンクロニシティ」のような、きゅんきゅんする背景があるときに限る。
女性とお付き合いをしたことはないので、恋愛対象として見られるのかはよく分からない。
でも正直、「一目惚れ」したことがあるのは、女性だけ。
その女性二人の顔は、今でもよく覚えている。二人とも、初めて見た瞬間「ドキっ!」として、目が離せなくてずーっと凝視していた。ほんの数分のことだったと思う。
見ず知らずの女性。もちろん、話しかけたりもしていないし、その後は一度も見ていない。
でも二人とも、こちらを一瞬チラリと見て、ニヤッと笑った気がするのは気のせいだろうか。
私は彼女たちの見た目に、無意識のうちに性的に興奮したんだろうか?それとも、ときめいた系?
今でもよくわからない。
ずっと女性が女性に興奮するのは当たり前だと思っていたが、先日大好きなポッドキャスト「バイリンガルニュース」を聴いていたら、パーソナリティのMamiさんが
「私は多分バイセクシュアルだから、男も女もエロい目で見れる。逆にどっちかの性別しかエロい目で見られない人の気持ちが分からない」と言っていてハッとした。
世の中には、どちらかの性別しかエロい目で見ていない人がいるのか…。
そういえば昔、ゲイの男友達が「風俗に行ってみたが、全く勃たなかった」と言っていた。
また一方で、ストレートの男友達は「女性の体の方が芸術的だと思う。だから興奮する」と言っていた。
たしかに女性の体は芸術的だが、私にとってはそれ以前にエロい。一方で、男性の体は、それ自体は私にとってはただ芸術的だ。
すごく整った全裸の男性と全裸の女性が、二人突っ立っていたとしたら、
男性の方には「ほ〜美しい!」と思うだけだと思うが、女性の方は「うわぁ…興奮する…」ってなると思う。
彼氏に対してもそんな感じだ。
約2年付き合った彼氏がいるのだが、毎日見ているその身体を見て、いまだに「なんて美しいんだろう」と思うことがある。
ただそれで興奮するかというとそれは別の話で、正直、事に及んでいる際は女性の体を想像していることも多々ある。
でも、心から愛おしいと思うし、性的興奮とはまた違った感情になる。私にとっては、それは性的興奮以上のものだ。
「世田谷シンクロニシティ」で、美しい肉体の男の子2人が情事に及んでいるシーンも、エロいとかを飛び越えて、
なんかもうどうしようもなく、切なくて愛おしい気持ちになるのだ。(それゃちょっとは興奮もしますけどね?)
とにかく、本当に、2人の男の子の感情とか言葉とか関係とか、全てが貴い。
男だからとか、女だからとか言うことが如何に浅はかで下らないか、思い知らされる。
性別ってなに?本当にただの言葉で、まやかしでしかないなぁと感じられる。
本当にもう宝のような漫画なので、ぜひたくさんの人に読んでほしいなと思う。